都市の深層、錆びた記憶の残像(Deep Layers of the City: Afterimage of Rusted Memories)
本作は、現代都市の複雑な構造とその裏側に潜む時の経過を、抽象的な形態と質感で表現した作品です。モノクロームを基調とした画面には、建築物を思わせる幾何学的なラインが幾重にも交錯し、その隙間から有機的なフォルムやテクスチャが覗いています。これは、一見強固に見える都市のシステムが、実際には脆く、流動的な要素によって支えられていることを示唆しています。 画面の随所に配された錆びたようなブラウンのアクセントは、時の流れによる腐食や、そこに刻まれた記憶の層を象徴しており、無機質な都市空間に人間的な温かみや寂寥感を与えています。観る者は、この複雑なレイヤーの中に、自分自身の記憶や都市に対するイメージを投影し、新たな風景を見出すことができるでしょう。
Artist Profile
1985年、東京都生まれ。東京芸術大学美術学部絵画科卒業。 幼少期から都市の風景、特に路地裏や古いビル、工事現場などに惹かれ、その複雑な構造と特有の質感に魅了される。大学では油画を専攻するが、徐々に抽象表現へと移行。都市の風景を単に写し取るのではなく、その根底にあるエネルギーや時間、記憶といった目に見えない要素を、独自の視点と技法で描き出すことを追求している。 国内外での個展・グループ展多数。その独創的な作風は、建築家やデザイナーからも高い評価を受けている。