碧の余白
本作は、東京の喧騒から離れ、日常のふとした瞬間に見上げた空の「質感」を、厚塗りの油彩(インパスト技法)で表現したシリーズの一作です。 あえて風景を描写せず、青と白の絵具の積層と筆致(タッチ)そのもので、どこまでも広がる空の奥行きと、雲の質量を捉えています。 絵具が光を乱反射させることで生まれる複雑な青の諧調は、見る者の心に静寂と、思考の「余白」をもたらします。
Artist Profile
1994年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科(油画専攻)修了。 幼少期より空の色の変化に魅了され、絵画制作を始める。 「視覚的な情報」としての風景ではなく、その場所が持つ「空気の重さ」や「光の質感」を、絵具という物質を用いてキャンバスに定着させることを試みている。 都市生活の中で見落とされがちな自然の表情をテーマに、国内外で作品を発表。本作は、彼女が長年通うアトリエの窓から見える空の記憶を元に描かれた。