11時43分の温もり
夜更け、24時間営業のコインランドリー。暗闇の中に浮かび上がる、洗濯機のドラムが描く渦。その温かい光に引き寄せられるように、人々が集います。
中央の大きな洗濯機では、色とりどりの衣類が混じり合い、まるで人生の複雑さそのものを映し出しているかのよう。その傍らで、静かに洗濯物を見つめる男性。彼もまた、自分自身の心の中を整理しているのでしょうか。
反対側では、少女が洗濯機から溢れ出る光に手を伸ばしています。その純真な姿は、孤独な夜に差し込む一筋の希望のようです。
壁にかけられた時計は、11時43分を指しています。終わりのない一日を象徴するこの時間に、洗濯を終えた人々は、日常の慌ただしさから解放され、それぞれの場所へと戻っていきます。
Artist Profile
1992年ソウル生まれ。2016年、弘益大学校美術大学卒業。 都市の夜景、深夜のコンビニ、コインランドリーといった、現代人が共有する「孤独自」や「匿名性」をテーマに、油彩画、版画、インスタレーションなど多様な手法を用いて作品制作を行う。 2018年、ソウルでの初個展「深夜、街角のノクターン」を開催。2021年、日本での初個展「コインランドリー・クロニクル」を東京で開催。 彼の作品は、一見、寂寥感や虚無感を漂わせながらも、その奥底には、人間に対する温かい眼差しや、日々の生活を肯定する力強い意志が感じられる。